Vol.6「”北のアルプ美術館”パッケージが誕生するまで」

2024.12.18

初雪を迎えて、冬の足音がする12月の北海道斜里町。SNOWSの世界観をつくる”山の版画家”大谷一良さんと出会うきっかけとなった「北のアルプ美術館」へ向かうと、次々とSNOWSの紙袋を持ったお客様が出入りしていきます。

毎年、冬季休館している「北のアルプ美術館」ですが、今年はSNOWSの代表商品スノーサンドの「北のアルプ美術館」パッケージが販売されることになり、週末の販売会時のみオープンしていました。

「雪の斜里岳」がモチーフになった
北のアルプ美術館パッケージが初登場

『釧路や弟子屈、北見……わざわざ遠くからきてくれる人ばかりで驚いています』と話すのは、この美術館をつくった初代館長・山崎猛さんの妻で現館長の山崎ちづ子さん。

パッケージを飾るのは、ブランド誕生以来SNOWSの世界観をつくる”山の版画家”大谷一良さんが描いた「雪の斜里岳」。シルクのような滑らかな質感のシルキーモールドの箱で、温かみのある大谷一良さんの版画作品を再現しています。

『この斜里岳のパッケージが素敵だということで、買ってくれた皆さん喜ばれています。一度買いにきた方も周りの人にもプレゼントしたいと言って、リピーターで注文してくれるんですよ。

特別販売の事前予約の際にアンケートを取っていると、今回のパッケージをきっかけに初めて美術館にいらしてくださる方もかなり多いんです。せっかくなので、販売期間中は館内を見られるように開放しています』

販売会に足を運ぶお客様のなかには、初めてSNOWSの商品を手に取る方も。SNOWSと美術館、双方にとっていい出会いが生まれています。

『SNOWSは友人からお土産でいただき知っていた。北のアルプ美術館で販売すると聞き買いに来ました』（網走市／男性）

『新千歳空港で販売しているのを見てSNOWSを知りました。これをきっかけに初めて美術館に来ました。ずっと気になっていた場所なので、来ることができて嬉しいです』（釧路市／女性）

『SNSを見て斜里町でSNOWSを販売すると知って買いに来ました。美術館とお菓子のパッケージの世界がマッチしていてとても良いですね。美術館も見学しましたが、とても素敵な空間でした』（弟子屈町／女性）

「この場所が、ずっと続いてほしい」
限定パッケージ誕生の背景

今回の北のアルプ美術館パッケージは、SNOWSブランドを手掛ける会社代表の長沼が、山崎さんへかけた一本の電話をきっかけに生まれました。

『SNOWSの長沼さんが、この美術館が少しでも長く続くために寄付を考えていると電話をくれました。その後、SNOWSの社員の皆さんも一緒に考えてくださって、ただ寄付するのではなく、美術館の名前を広げることも大切。美術館パッケージを販売して、売上の一部を寄付するのはどうかと提案してくれました。

大谷一良さんの版画絵と題名、制作年月だけのシンプルなパッケージデザインは美術品として敬意を表していると思います。この箱自体がアートのようですし、なにより大谷さんが本当に山を愛していたということが伝わるパッケージになって嬉しいです』

パッケージのデザインになった「雪の斜里岳」は、自分の心のなかにある、心象の山を描き続けた大谷一良さんが、実在する山をモチーフに描いた数少ない作品のひとつ。大谷さんと「北のアルプ美術館」初代館長の山崎猛さんとの強い絆から生まれた作品でもあります。

『大谷さんと山崎はとても親しく、度々美術館にも遊びに来てくれました。その時に、山崎が斜里岳の絵を描いて欲しいとお願いしたんです。そして生まれたのが、この「雪の斜里岳」です。

地元に住む私たちにとって、日常の風景に斜里岳があるということが生活の基盤になっていますね。朝、挨拶する時も「今日は斜里岳が綺麗に見えるね〜」なんて話したりね』と、笑顔で語る山崎さん。

アルプ、そして美術館の想いを
次の世代へ繋ぐために。

1983年に300号をもって終刊した山の文芸誌「アルプ」の精神を受け継ぐために、初代館長の山崎猛さんが設立した私設美術館「北のアルプ美術館」。大谷一良さんの版画をはじめ、串田孫一さんの復元した書斎、アルプ作家たちの貴重な原稿やイラスト、絵画等の作品が展示される美術館ですが、存続の課題も残ります。

『美術館や文化施設は、時代と共に経済的な問題がついて回るものではあるので、それをどうクリアしていくか。これから若い人たちと一緒に考えていきたいと思っています。幸いなことに美術館に来てくださった方々がすごくアルプに関心を持ってくれるんです。おかげで展示作業、掃除、外回り等を手伝ってくれるボランティアも多くなって……そういう意味では、山崎が「山や自然の素晴らしさを、次世代に伝えたい」と言っていたことが、少しずつできているかなと。これからは若い人達と手を取りながら、なるべく長くこの場所を残せるように……それだけが、今の私の望みです』

【販売情報】

【販売】SNOWS公式オンラインショップ、北のアルプ美術館での販売
【期間】2024年12月1日(日)〜12月25日(水)

※北のアルプ美術館での店頭販売：2024年12月の特定の日時での販売をしております。詳細は北のアルプ美術館公式HPをご確認ください。
※本商品の売り上げの一部は美術館の運営費用として寄付させていただきます。